私の後をほてほてと懸命についてくるアレンは、本当に可愛い。
思わず頬ずりしたくなるほど可愛い。

特に、今みたいな時だと。


さん、おてつだいします!」
「ありがとう。でも、ちょっと重いよ?」
「だいじょうぶです!」


張り切って洗濯物の取り込みを手伝おうとするアレン。
床に引きずらないで持てるかどうかがちょっと不安だけれど、まあ大丈夫だろう。
引きずってもいいように、私がベランダから部屋まで取り込めばいい話だし。


「じゃあ、お願いしようかな?」


ちょっと笑ってそう言うと、アレンの顔がぱっと輝いた。


「はい!」


ああ、尻尾がぱたぱたと揺れている。
嬉しいんだね、そうなんだね。
思わず頭をなでると、幸せそうに脚に抱きついてきた。

何この可愛い生物。
世界中に自慢したい。


「アレンはいい子だねー」
「ちがいます、さんといっしょがいいんです」
「可愛いこと言ってくれちゃって、もう!」


ぐいぐいと抱きしめると、慌てたような声がする。
それすらも可愛いなんて、我ながら見事な親馬鹿っぷりだ。


「じゃあ、取り込もうか」
「はい!」


始めは負担の少ないタオルから。


「重くない?」
「へっちゃらです!」


にぱ、と無邪気な顔で笑うアレン。
よちよちと大変そうに歩いているあたり、どうやらやっぱり重いようだ。
うーん、ちょっと渡しすぎたか。

量をちょいちょい調節しながら渡していくと、アレンはほてほて歩いてリビングの床にそれを置く。
その山が大きくなってきたから、途中で一旦手を止めてリビングに戻った。


「アレン、一回畳もうか」
「はい!」


お手伝いできることが嬉しくてたまらない。

そんな様子を全開にして笑うアレンは、やっぱりたまらなく可愛い。
小さな手で一生懸命、タオルやら自分の洋服やらを畳んでいく。
慣れていないせいで少し不格好だけれど、初めてやったにしては上出来すぎるくらいだ。


「上手だね、アレン」


頭をなでて褒めれば、はにかんだような笑みが返ってくる。


「ぼく、さんのやくにたててうれしいです」
「こうしていてくれるだけで、私には充分だよ」
「……ほんとですか?」


いてくれるだけで、本当に癒しになる。
本心をそのまま伝えると、アレンは照れたように目を伏せて尻尾をそわそわとさせた。
ああもう、そんな仕草も可愛い。
ぎゅうと抱きしめて、片づいた洗濯物をさっさと定位置に置いた。


「よしアレン、後半いくよー」
「はい!」


元気よく返事をしたアレンの頭をなでて、後回しにしておいたシーツなどの大物の類を取り込む。


「気をつけてね」
「はい」


おおまかにまとめたシーツをそのまま渡すと、アレンは満面の笑みでうなずいた。
のは、いいんだけれど。
なんだか心配になって見送っていると、案の定下に垂れていた部分に引っかかって蹴躓いた。


「うわぁっ!?」


ばさりとシーツの中に倒れ込み、すっぽりくるみ込まれるような状態になったアレンは、わたわたと中で動いているようだ。
もぞもぞしているのはわかるけれど……それじゃあ余計に絡まるぞー。

苦笑しながら部屋に戻り、ゆっくりとシーツからアレンを救出する。
出てきたアレンは、そりゃあもう泣きそうな顔だった。
耳はぺしょんといつもよりもさらにつぶれているし、尻尾もすっかり垂れ下がってしまっている。


「大丈夫?」
「……ごめんなさい……」


しおしおとうなだれるアレンは、きっとちゃんとお手伝いができなかったことに落ち込んでいるんだろう。
別にいいのになあ、そんなこと。


「お手伝い、ありがとね。今のはアレンにはちょっと大きすぎたみたい。ごめんね」
「でもぼく、せっかくきれいだったせんたくもの……」
「今でも充分綺麗じゃない。何がいけないの?」


抱き上げて頬を寄せると、アレンの気分もようやく少しずつ上向いてきたようだ。


「……つぎはおとさないように、がんばります」
「うん、無理しないで、アレンのペースで行こうね」
「ありがとうございます、さん!」


元の太陽のような笑顔に戻ったアレンに笑いかけ、残りの洗濯物を適当に片づける。
ちょうどおやつの時間になったから、アレンの大好きなチョコレートをお皿にのせた。


「ちょこれーと……」
「いっぱい食べてね、手伝ってくれたご褒美」
「ごほうび……!」


心底幸せそうにチョコレートを食べるアレンを見ながら、やっぱり可愛いなあと密かに癒されたのは内緒だ。
やっぱり、うちの子が一番!











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オフ会特典、柑人さんのリクエスト!「われんで洗濯してる話」でした!
我ながら書いていて悶えた。何この子、可愛い!
われんは白が一番です。黒とか嫌!

柑人さんに捧げます!