皆さんどうもこんにちは、の母です。
最近我が家に居候というべきか悩む子が増えたんだけれど、これがもう絶世の美少年で!!
涙を浮かべて「僕、帰る場所がわからないんです……思い出すまででいいので、お邪魔させていただけませんか?」なんて訊かれたら、放っておけないのが人情でしょう。
最初は嫌がっていたらしい主人も、今じゃ本当の息子のように可愛がっているし。


   ああもう、本当に息子になってくれればいいのに。


そんな結人君は、何故かうちの娘にべったり。
で「ジーン」なんて特別な呼び方をしているし、まるで昔からの知り合いのよう。

それが何故だかは訊いたことがないけれど、私は結人君に一つとても感謝しているの。
どこか冷めて一線を引いていたようなが、結人君といるようになってから、年相応のように表情豊かになったから。


今だって、ほら。


「ジーン!それ、私の紅茶ー!!」
「だってこれ、淹れてから5分も経ってるよ。もう温くなっちゃってるから、新しく僕が淹れるって」
「猫舌だから、ちょっと温めの方がいいの!」
「じゃあ、牛乳を温めないで冷たいまま入れるよ。それならも飲めると思うし、紅茶ももっとおいしいよ」
「……わかった」


ふてくされたの頭をなでて、結人君がキッチンに向かう。


「結人君、ついでに私の分もお願いしていい?私のは熱くて構わないから」
「お母さん!ジーンにずうずうしい!」
「いいよ、   おばさん、アールグレイでいいですか?」
「もちろん!」


噛みついたに微笑んで、結人君が紅茶用のポットを持ち上げる。

彼が来るまで埃をかぶっていたそれは、今ではすっかり結人君御用達。
一度違うポットに入れ替えるのは、紅茶の味を均一にするためなんだとか。

……もう、ティーバッグには戻れないわね……。


、それ飲んだら、図書館行こうね」
「オッケー。日焼け止め塗らなきゃ」


そんな2人の会話を聞きながら、待つこと数分。
いつもながらにおいしい紅茶に舌鼓を打っていると、リビングの方でも可愛らしい会話が聞こえてきた。


「ね?こっちの方がおいしいでしょ?」
「……うん」


……やっぱり   


が悔しそうに何かを呟いたけれど、残念ながらこちらまでは届かない。
何かしらとリビングを覗くと、とても嬉しそうな結人君と口を尖らせているがいた。


……あらあら、子供みたいな顔をしちゃって。


どうしてから知らないけれど、悟ったような表情ばかり見ていたから、結人君が来てからのは何だか新鮮。
こんなに仲がいいのに、付き合っていないなんて……。


「ねえ、今度、アールグレイ以外のも淹れてもらっていいかな……?」


遠慮がちなの言葉に、結人君が笑顔でうなずく。
もちろん、と言いながら、何がいいかとあれこれ考え始めた。


「ねえ、今度デパートに行こうよ。確か紅茶専門店があったはずだよ」
「うん。土曜日でいい?」
に合わせるよ」


そんな会話から、きっと今度は変わったものを買ってくるのだろうと思う。
私はアールグレイとくらいしか買ってこないから、さぞは楽しむでしょうね。


どんな茶葉を買ってくるのかと楽しみにしていたら、後日聞いたこともない名前のお茶を買って来た。


「……ダルマ?あの、赤くて丸いやつ?」
「違う!疲れた時とかにいいんだって、お店の人が言ってたの。他にも、ほら」


丸くて平べったい缶は見たこともないメーカーのもので、けれど可愛くてスペースも
取らないそれに一目惚れ。
おいしかったら、また買って来てもらおうかしら。


「んもう、しょうがないわね……ほら、いくらだったの?」
「あ、僕が買ったから、大丈夫です」


代金を渡そうと財布に手を伸ばしたところで、結人君が思いがけないことを言った。
未成年にそこまでさせるわけにはいかないと驚くと、結人君はにっこりと笑う。


「大丈夫です。僕が飲みたくて、を説得したんですから」


ね?と話を振られたは曖昧な笑みを浮かべていて、これは結人君の思いやりだとぴんときた。
   でもまあ、今回はのってあげようかしらね?


「あら、そう?じゃあ、次に買う時は私が頼むから、お金もちゃんと持って行ってね」











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「第三者視点での日常話」でした。
花音の方がいいのかなーとか思いつつ、学校では日常話なんてたかが知れているので、
存在を忘れ去られていたお母さんが登場です(笑)


お母さん視点なので、ジーンの呼び方は全て偽名の「結人」。
まだナルと出会う前のお話です。
両親に気に入られているジーン、着々と息子の座を築き上げています(笑)

お持ち帰りはリクエストをして下さった方のみとなります。
リクエストありがとうございました!