それは突如として磨羯宮と宝瓶宮の間で現れた
十二宮を揺るがすような強大なコスモ
それは黄金達はおろか教皇をもその場に走らせた

「「「「「「「「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」」」」」」」」」

「・・・・・う? だえ?・・・さーにぃしゃまは? こちゃは?」

ゆきにぃしゃま、じーしゃまどこ?
段々小さくなっていく其の声は誰かに助けを求めている

其の元凶(推定2〜3歳の幼児)は階段の上にちょこんと座り
じっと見下ろすキラキラ光った人たちを見上げていた
確かに其の身の内から発せられるコスモはどうやったらその小さな体に納まるのか不思議なほどに強大でそれでいて絶妙なアンバランスさを保っている

「取り敢えず、捕縛するぞ」

ずいっと歩を進めたのは一番近い宮の住人であるカプリコーンのシュラでその手は臨戦態勢を保っていた

「お前、何処からこの聖域に入ってきた、答えろ」

幼子を見下ろすと其の大きな瞳には不安と混乱と恐怖が入り混じり見上げてくる
罪悪感という言葉を頭の隅に追いやって尚も一歩、また一歩と近づいていくと
限界をきたしたのは幼子の方であった


「・・うっく、ふぇ・・・うぇえぇぇええええっっ!! さーにぃしゃま〜〜〜!!こちゃ〜〜〜〜〜〜!! じーしゃま〜〜〜、ゆきにぃしゃま〜〜〜!! たちゅけて〜〜〜〜〜きょわいにょ―――――――!!!!!」


ボロボロと大粒の涙を流し、助けを求める姿は痛々しく、ぐっとその場に居た者達は眉間に皺を寄せた、其の直後

ドバッッッ―――――――――!!!!!!!

ピカッ!!!!

ドド―――――――――ンッッッッッ!!!!!!!


今までの天候をまるっと無視をした集中豪雨と大量の落雷がその場に襲い掛かった

「うわっ!!??」
「何だこれ??!」
「ッッ・・・まさか」
「この幼子・・・」

「ふぇぇぇええんん、さーにぃしゃま〜〜〜!! こちゃ〜〜〜〜!!!」

流石に腐っても黄金と教皇、落雷で多少焦げ目がついたものの倒れる者は居らず
それが、幼子を更なる恐怖へと誘っていたなど知る余地もないのであった

止む気配の無い豪雨と落雷
止む気配の無い幼子の泣き声

混乱を極める現場

「あれ? 赤ちゃん??・・・・ど、どうしたんですか!!??」

そんな収集の付かなくなったところに、ひょっこりと顔を出したのは一人の少女(?)であった

「っ!? !? 危ないから宮から出てはいけないと言わなかったか?」

普段は揺れる事のないその表情にあせりの色を見せた双魚宮の住人であるアフロディーテは顔を覗かせた少女をさっと背に庇うようにして立つ

「・・・でも、何だか気になって・・・あの赤ちゃんどうしたんですか?」

明らかに其の脳内では『誰かの隠し子発覚!?』とか何とか思っているに違いない

愛らしいレースのあしらった傘を差して雨を避けながらと呼ばれた少女は未だに泣きじゃくる幼子を暫く見つめ
何を思ったのか臆することなく近づいていった

「危ない!!」
「大丈夫ですよ、赤ちゃんをこのまま放置している方がどうかしていると思いませんか?」

とっさに手を伸ばそうとしたが、何時もより強い口調のに黄金達は中途半端に伸ばした手をおずおずと下げ、見守るしか出来なかった、後に自身が無意識に逆らえないようなコスモを発していたのだと気付いた面々であった

その間も泣きじゃくり、豪雨、落雷の嵐を降らす幼子であったが、なぜかは一発も落雷の被害にあうことなく、苦無くあっさりと幼子の側まで歩みを進めた

「どうしたの? 何で泣いてるの?」

ひょいと雨でずぶ濡れになっている幼子を抱き上げ
背をあやす様に撫でその腕に包み込んで優しく、殊更宥めるように声を掛ける

程なくして、やっと嗚咽まで納まった幼子は落ち着きを見せ
を見上げ

「おねーしゃん・・・だえ? さーにぃしゃまは? こちゃは?」

不安と恐怖を押し殺しぎゅっとの服を握り聞いてきた

何時の間にか豪雨と落雷は止み
名残のようにしとしとと絹糸のような雨が落ちているだけであった
まるで、幼子の不安を表すかのように

「さー兄様?・・・サガさんの隠し子ですか?」

“さ”の付く人を思い出し、思い当たる人物に問うが

「違う!!」

見事なまでに否定され、こちゃなる人物で思い当る人を探すが、居るはずもなく首を傾げるに留まった

「えっと、さー兄様って人やこちゃって人に心当たりは無いけど、お譲ちゃんは何処から来たのか言えるかな? あ、そうそう私はって言うんだよ」

最初にシュラがした質問と同じだが、言い方や顔つきが違うと印象はがらりと変わるもので、幼子も暫くを見上げていたが

おねーしゃん? あにょね、でしゅ。うんちょね・・・じーしゃまのおうちに、いちゃの、でも、いちゅのまにか、こきょにいちゃの・・・おねーしゃん、こきょ、どきょなの?」

「じー様?」

と名乗った幼子はに気を許したのかぼつぼつと話し始めた

「じーしゃまは、かいのおちょのしゃまでね、えっちょ・・・らんしぇのよをおしゃめるにょ!!」

「お殿様で乱世の世を治める??」

乱世の世って・・・・・

「も、もしかして戦国時代????」

じゃあ、かいって甲斐の事?? 甲斐のお殿様って武田信玄公の事??
甲斐、今の山梨で有名な戦国武将といえば信玄餅の武田信玄公しか思いつかないのだが・・・不意にあの黄な粉と黒蜜がかかったお菓子を無性に食べたくなる・・・
信玄公は乱世の世を治めていないはず・・・

色々と矛盾点はあるものの

「お殿様って・・・武田信玄公?」

「うん!! おねーしゃん、じーしゃましっちぇるの??」

きらきらとした瞳で見つめられ、自分の知ってる信玄公のイメージは信玄餅くらいだとは流石に口に出せなかった

「う・・・ん、知ってるっていうよりは、歴史で習った方が正しいかな?」

「しょーなにょ? じーしゃまはね、おっきくて、もふもふで、ゆきにぃしゃまとなぎゅりあいして、ゆきにぃしゃまきらーんっておほしさまになりゅの!!」

大きくて、もふもふで、ゆき兄様って人と殴り合いしてキラーンってお星様になる

うん、見事なカオスである

で、これからどうしたらと悩ませていると

「不思議なコスモを感じて急いで戻ってきたのですが・・・異界の神でしたか」

柔らかなコスモと共にこの聖域を統べるアテナが姿を現した
今日はグラード財団の仕事のために聖域を離れていたはずなのに

「「「「「!! アテナ!!!」」」」」
「沙織さん!! ちゃんは神様なのですか?」

ふわりとにタオルを被せ、そっと滴り落ちる水滴を拭いながら

「ええ、異界の神で間違いありません・・・(このコスモは・・・・)」

何かを感じ取ったようだが、あえて口にはせず
アテナはふわりと微笑み

「ようこそ、我が聖域へ降りられました。異界の幼き姫神、私はアテナこの地を統べる者です。何か不慮の事故に巻き込まれたのでしょう。還られるまでどうか聖域でお寛ぎくださいね」

「えっちょ、あにょ、でしゅ。よろしくでしゅ・・・あにょ・・さっきはかみなりおっちしちぇ、ごめんなしゃい・・・」

戸惑いながらもの腕の中でぺこりと頭を下げ
所々こげあとの付いている黄金達に向けて謝罪の言葉を述べた

「「「「「「「「・・・・・・(か、可愛い(じゃねぇか)!!!!!)」」」」」」」

きゅっと寄せられた眉
未だに少しうるんだ瞳
ピンク色に染めた頬
しっとりと濡れた黒髪

そんな愛らしい幼子に鈴の音がなるようなこれまた愛らしい声で謝られて絆されない者はいなかった・・・

「い、いや、脅かして悪かった」
「すまぬ」
「ごめんね」
「この程度、我々にとってかすり傷にもならぬ、すまなかったな」

口々に謝罪の言葉を乗せ
あるものはハンカチで涙を拭い
あるものはそっと、割れ物に触れるようにして頭を撫で
あるものは濡れた茜の為に新しい服を用意し
あるものは冷えた身体を暖める為に湯殿の準備へ走った


其の後、沙織は急いで残っている仕事を終える為聖域を後にしていった(自分が戻るまで此処に居てほしいと念を押して)

湯殿から出たを待っていたのはニコニコと笑顔で出迎えたと芳しい香りであった

「う?・・・」

「あ、ちゃん温まった? ちょうどお茶が入ったのだけど、一緒にどうかな?」

の目の前にはローズティと焼き菓子が並んでいてティータイムの準備は完璧である

「うきゃー!! おいちー!!」

「気に入ってくれて嬉しいな、これは此処のバラ園を管理しているアフロディーテさんが育てた薔薇で作ったお茶なのよ、急だったからクッキーとマドレーヌしか焼けなかったけど、よければどうぞ」

戦国時代にローズティや洋菓子は無く、久しぶりの味に茜の頬は緩みっぱなし目はキラキラと輝いている

「くっきー!! はぅう・・・おいち〜〜」

ニコニコほのぼのと続けられるお茶会は二人の雰囲気も相まってほのぼのと暖かな春の陽気を醸し出している

「「「「「「・・・・・・・・・・・・(癒しだ・・・壮絶な癒しだ・・・・)」」」」」」」

影からこっそりと見守っていた黄金+教皇はその空気に当てられ日ごろのストレスを綺麗さっぱりと消化していったのである



こうして、異界の姫神と無事和解した黄金達はが元の世界に戻れるまで一緒に暮らしたのであった

これが
キンキラキンな人達と優しいお姉さん達との出会い
来る時も突然だったけど帰る時も突然だった・・・・何だったんだろう・・・・
何とか無事に帰れたからいいけど・・・・


おまけ

ひゅぅうぅうう・・・・ぽてん

「うにゅ? あえ・・・・もどちゃ?」

さっきまで姉様達と一緒に薔薇茶飲んでたのに・・・・

「!!!!(姫様!! 何処へ行かれてたのですか!!?)」
「ひーさま!! 探したんだよ!!?・・・・それに其の格好」

「こちゃ!! さーにぃしゃま!!!」

着ていたのは聖域の服でひらひらしたのだったけど
構わず二人に抱きついた

ただいま!!!


一杯お話したい事があるんだよ!!!











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「夜の夢」(携帯サイト)の松永雅様、琳様からいただきました!
サイトコラボ!サイトコラボ!!(興奮)
小さい子って無条件に可愛いですよね。……自分に害が及ばない範囲なら。(どこまでもひねくれている管理人)ちゃんもきっとめろめろになっちゃうと思うんだ!

しかも、戦国BASARAとのコラボですって!見た瞬間思わず空目ったかと思って、何度も設定を読み返しちゃいました。
苦労人な佐助が好き!わんこな幸村も好き!
でも実は、筆頭が一番好き!!

松永雅様、琳様、ありがとうございました!