犯罪とは罪を犯す行為をいう。それに“者”がつけば罪を犯す行為をした者という意味になる。
さて、ではどのような行為が罪に値するのか。それを数え上げたらきりがないけど、私はわかっていることがある。


「ますたーっ!」
「むごっ!」


テレビを見ていたら背中にへばり付いてきたそれの勢いが強くて、私はべしゃりと前に倒れた。痛いなー……!!
咄嗟に手をついたものの、顔をぶつけたらどうするの。


「あっ……ぶないでしょうが!」
「だって歌をうたうじかんだもん!」


ぎゅーと背中にくっついたそれは、すりすりと頭を背中にこすりつける。


「ちょ……くすぐったい……! やめてよレン」
「えぇー」


えぇーじゃないよ。ダメだよ、レンは可愛いんだから、ショタコンの私に襲われちゃう。ただでさえ半ズボンの生足にむらっとし、ぴょこぴょこ跳ねる度にチラリとのぞく腹にどきっとし、あぁもう、なにこの生き物。可愛い。可愛すぎて死んじゃいそう。


「起き上がるから退いてー」
「やだぁ」
「…………歌わなくていいの?」
「それもやー」


甘ったるい声で拗ねたように返事をする。かわいい。
しぶしぶと背中から離れたので、身体を起こしてテレビの電源を切る。リモコンをテーブルに戻せば、手を重ねられた。私の手より頼りない手の持ち主はレンだ。どうしたのといつの間にか横にいるレンを見ると、頬を赤く染めて恋の歌が唄いたいといった。


「うん、いいよ」
「やった! あのね、ぼく、はやく恋がしたいんだっ!」


薔薇色の頬と唇が麗しいレンはそういってはにかんだ。大きな青い瞳が潤んでいる。柔らかい髪をくしゃりとなで、いいこいいこするとえへへへとこれまたかわいい反応が帰ってきた。
恋がしたいだって? そんなレンに私は恋をしているよ。本当、かわいい。頬が緩んで気持ち悪い顔になっていたのか、レンが小首をかしげる。ことん、と傾ける仕草が思いのほかツボで、ぎゅっと抱きしめた。


「わ! ますた?」
「レンきゅんだいすきーっ!」
「ぼくもすき!」


抱きしめたら抱きしめかえされるこの喜びと言ったら、表現のしようがないほどきゅんとくる。背中に回された腕とか、頬に当たる髪とか、我が家のシャンプーの匂いがする、とか。ひとつひとつの要素が私をかきみだしていく。
今の私はショタを愛でる犯罪者の気分だ。
レンは本当は十四歳で、正直いってショタは辛いんじゃないかって思ってたけど、彼は立派にショタ路線を走っている。それもこれも私の教育が悪かったのかもしれない。けど、後悔はない!


「ますたぁ、あのね、ぼくちゅーしたい」
「へ、ちゅう?」
「うんっ!」


きらきらと青い目を輝かせてレンは私の肩に両手をおいた。そして顔を近付けてくる。潤んだ瞳、蒸気した頬、僅かにあいた唇。レンのどこを見たらいいかわからなくて、一瞬だけ目を逸らしたそのとき、頬に柔らかいものがあたった。
…………あぁ、ちゅーってほっペにか。うわぁ、びっくり

「えへへ、ますた、うれしい?」


いたずらが成功したように笑うから、私もレンのやわらかい頬にちゅっとキスを送った。青い眼が大きく見開き、次の瞬間ぎゅーと抱きつかれる。


「レーンー?」
「マスター、大好き」
「私もー」


にやけながらいうと、レンはすりすりと胸に頬ずりをしてくる。かわいい、けど、胸に頬ずりはやめて欲しい。


「ますたぁ」
「なに?」
「ますたぁのおっぱいおおきいよね」
「れれれん!?」


何をいうんだレンきゅん。動揺しいる私を気にも止めず、じっと胸を見ていたかと思うと、ぎゅっと左胸をわしづかみにされた。


「ひゃっ……!!」


驚きの声が出る。対するレンは不思議そうな顔でむにむにともみ始めた。力をいれるとすぐ形を変える感触がお気に召したのか、やわらかいと呟いて目を輝かせている。


「ん、ちょっと、ストップしよ、ね、レン」


胸をもみ続けるレンの手を押さえてはがすと、不満そうな顔をされた。そんな顔をしてもダメだ、私が変な声をあげたらどうするの?
ショタ路線といってもレンは立派な十四歳。レンにその気がなくても私としては問題があるのだ。


「ぼくもますたーみたいにおっきくなりたいっ!」
「え、ええぇぇ、胸が? 胸を大きくしたいの!?」


でたよ問題発言! レンは女の子になりたかったの?


「だってますたーのおっぱいきもちいいもん」
「……レンは男の子だから大きくならないよ?」
「え、なんで?」


なんでと言われても困るよ。またぎゅむと胸を掴まれた。まって、まってよ、本当にやばいと思うよ。


「や、あ、れ、れん」
「どうしたの? かおがあかいよ?」


赤くもなるよ! 緩急をつけて本格的にもみだしたレンに危機感を覚える。状態を逸らして逃げれば楽しそうにぐっとよってきた。どうやらレンは無邪気に戯れているように感じているらしく、そのことが一層私を羞恥に追い込む。はずかしいって意識しているのは私だけなのだ。
おっぱいはもんだらおっきくなるんだって。
そんなことをいった我が家のショタレンはきらきら輝いている。


「だから、ますたーもぼくのさわってよ!」


笑顔で言われて固まった。そんなにおっぱいが大好きですかレン!


「ごめ、あ、そういえば洗濯物があったや、歌うのはその後でね!」
「いやだっ!」
「ええぇぇ」


力一杯に首をふられてしまった。今度は腰に抱きついて離れようとしない。顔は胸に押しつけており、レンが顔をふるたびに胸が震える。
羞恥で泣きそうだ。


「ぼく、ますたぁのものだよね?」
「うん、一応」
「なら、マスターは僕のものだよね!」


ちょっと待って。その展開に無理を感じる。応えられずにいれば、レンは悲しそうに眉を下げて、目を潤ませた。ぷっくりした唇がわなないている。それを見て罪悪感がわき、いつのまにか「うん。そうだよ」と返事をしていた。まさかでしょ私。どうやらレンにとことん弱いらしい。


「ますたーだいすき!」
「……私もレンが大好き」


無邪気に抱き付くから、しょうがないと苦笑を浮かべて抱きしめかえした。


「じゃぁ、だいすきのちゅー!」


ちゅっと口付けられたのは、頬じゃなくて唇にだった。柔らかい感触に驚いて口を手で覆うといたずらっ子のレンが笑う。


「ますたーもちゅーして」


うちのレンは十四歳にしてショタだけど、この日初めて心の底から後悔した。無邪気なとんでもない要求を私はどうやって断ればいいんだろう。
手を出したら犯罪、だよね?



ショタの皮を被ったオオカミ






十四歳にしてショタはないと思うのに、気付けばおれはショタ街道まっしぐらの鏡音レンになっていた。抱きついて甘えるよりも、もっと先のことがしたいのに、ショタキャラが身についてうまくいかない。マスターもマスターで鈍いし。
十四だよ? 中学校二年生だよ? そーゆーお年頃なんだよおれは。
だから、ショタの立場をいかしてマスターに悪戯をすることにした。胸に顔を埋めるだけじゃ足りない。本当は直に触りたいんだけど、まだその段階じゃないから今日はこれで我慢してあげる。明日はもっといいことしよーよ、ね、かわいいおれのマスター。









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ショタレンに見せかけたマセレンです。荵さんにささげます!
これからショタレン(マセレン)に調教されてしまえばいいと思います。普段はショタ、ベッドではマセですよこんなレンはどうですか?
というわけで、よろしければ貰ってやってくださいね!

100318





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こっ……ここここんなレンがいたら、即行買っちゃうよ!!
ていうか欲しいよ爽さん!!

と、見た瞬間叫びました。
ショタにみせかけたマセレンにセクハラされるのが見たいと軽く言ったら、本当に書いてくださいました!
これからマスターはおいしくいただかれちゃうわけですね、わかります。