一体どうしたらいいのかしら。

あれから三双萩先輩は私を見かける度に頭をなでてくるし、酷い時にはハグまでされるし!
私はこの間までイギリスにいたから別に抵抗はないけれど、他の人にやったらセクハラですよ、先輩!!


図書館で会う確率が抜群に高いのは承知している。
だけどああ、あの英知の結集とでもいうべき場所に通うなという方が無理なんだよ!!


そんなわけで、今日も今日とていそいそと図書館に向かう私なのだった。

ええと、昨日は相対性理論について途中までしか読めなかったから、今日はその続きで、そうしたら次はディラックの海についての本を探して……。
わくわくしながら書庫をめぐって、いつもの席に座ったところで。




「ラインハルト」
「……何でいるんですか、先輩」




「ああ、まあ、見回りをな」
「椅子に座ってくつろいでるのは、どう考えても見回りじゃありません。私、本読むんですから――って先輩、何してるんですか」
「んー?」


また頭なでられた!(やめてほしいのに!)
帰れー帰れーと念じていたら、横から呆れたような声がかかった。


「三双萩、あんたこんなところにいたわけ?椿が泣きそうになりながら探してたわよ」
「ああ、そうか」


その先輩の一言で、三双萩先輩はのっそりと立ち上がった。




……すごい、この先輩……!!




「じゃあな、ラインハルト」


ひらひらと手を振って去って行く三双萩先輩にもう来るなと念じながら、目の前の女の先輩の両手をがっしりとつかんでしまったのは、仕方がないことだろう。
多分絶対、私の目はきらきらしてた。


「あの!私、ルカ・ラインハル――じゃなくて、ラインハルト・ルカって言います!先輩のお名前、お聞きしてもいいですか!?」