今日も今日とて、三双萩先輩がやってきた。
即座に椿先輩に助けを求めたけれど、今日だけは三双萩先輩の方がほんの少し行動が早かった。

ただそれだけで、こんなにも私の状況が変わってしまうなんて!


「ルカ、お前も生徒会室に来ないか?」
「お断りします。私は普通の一般女子学生でありたいんです」
「別に生徒会室に来る生徒なんて、珍しくないぞ?」
「それでも何となく嫌な予感がします」


ちょうど読み終わったニーチェの本をぱたりと閉じながらそう答えた瞬間、ぶわりと浮遊感が全身を襲った。

……俵担ぎですか、先輩!!
子供抱っこもこう、あれだけど、荷物みたいに俵担ぎ……!
それ以前に何しようとしてるの、この人……!?

もはや半泣き状態になったところで、ようやく椿先輩が到着した。


「三双萩君……って、ルカをどうするつもり!?」


椿先輩の抗議の声も、私の抵抗も、三双萩先輩は軽くスルー。
軽い足取りで何故か生徒会室に向かう三双萩先輩に、椿先輩はとりあえずよしとしたらしい。


え、あの、ちょっと、先輩……!
私の必死の視線に気づいて!
「まあいっかー。ルカちゃんファイト!」みたいな生温い視線送らないで!!


抵抗むなしく生徒会室まで連れてこられた私は、もうまな板の上の鯉のような気持ちだった。


「戻ったぞー」


がらりと扉を開けた三双萩先輩を待っていたのは、怒濤のような怒声の嵐。




「どうしてあなたは毎回毎回仕事をさぼるんですか!もっと生徒会長としての自覚を持ちなさいと、いつも言っているでしょうが!おかげでいつもいつもいつも私達が――何を誘拐もどきまでしてきているんですか!!即刻彼女を放しなさい!!




ああ、常識人……!
やっと見つけた、常識人……!!