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「!その、今度一緒に出かけないか?」 「別にいいよ?」 決死の思いで誘ったというのに、かなりあっさりとした答え。 クラウドは撃沈しそうになった。 「毎日一緒にいるのに、今更何言ってるのさ」 何か欲しいものでもあった? 笑いながら首を傾げて、がクラウドの頭をなでる。 彼女に触れてもらえるのは嬉しいけれど、子供扱いをされているようで、少しだけ眉を顰めた。 「違うよ、買い物じゃなくて。出かけようって言ってるんだ」 「……?うん、別にいいよ?」 明らかによくわかっていない様子のが、それでもうなずいて笑う。 「じゃあ、来週の水曜に。ちょうど2人とも休暇だよね?」 「あ、うん」 「じゃあ、決まり」 楽しみだねと笑うがまぶしくて、クラウドはそっと目を細めた。 こうして、片方に全く自覚のないデートは決行されることになる。 一応は、平和に。 「戸締まりいい?」 「ああ。忘れ物は?」 「ないよ」 小さめのバッグを肩からかけたがうなずくと、クラウドがドアロックをかけた。 ロックが正常に作動していることを確認して、自然と二人並んで歩き出す。 「どこ行こっか。LOVELESSでも見てみる?」 「いや、俺は恋愛ものはちょっと……」 「だよねえ。言ってみただけだよ」 楽しそうに言い合いながらゆっくりと歩く二人の後を、気配すら微塵も表さずに歩く男が2人。 気配を完全に殺しているくせに、妙に目立つその2人は、確実に達の後をつけていた。 「……なあ、これってさ。怒るんじゃねえ?」 「知るか。黙ってついてこい」 ザックスの言葉を一刀両断して、セフィロスが前の2人を見る。 もうほとんど、睨むような表情だ。 「と二人ででかけるなんて……」 「いやいやいや。旦那、それ逆恨みだから」 行きたいなら自分も誘えばいいじゃん。 至極もっともなことをザックスに言われ、セフィロスがふいと横を向いた。 「……も忙しい」 「……へーそうですかー」 チキンなだけじゃん、とは思っても言わないザックス。 命の危険は回避するつもりらしい。 「じゃあさ、旦那。邪魔しちまえばいいんじゃねえの?」 そんなにこのデートが気に食わないなら、乱入してしまえばいいじゃないかと呆れる ザックスに、セフィロスが鼻を鳴らした。 「そんなことをしたら、が怒るだろうが」 「……さいですか……」 ザックスが脱力しまくるその向こう、クラウドは舞い上がりそうなほど嬉しくて仕方がない。 いつもはセフィロスやザックスと話す事の多いが(ほぼ毎日押しかけて来るので、同居人というアドバンテージはないに等しい)、今日ばかりは自分と二人きりなのだ。 これで舞い上がらない方がおかしいだろう。 「あ、クラウド!あのジェラート食べてもいい?」 「あ、うん。もちろん」 道端の屋台を見つけて、がはしゃいだ声をあげた。 拒否する理由があるはずもなく、クラウドも一緒に買いに行く。 「クラウドも食べるの?」 「うん、ラムレーズン。は?」 「どうしよう……あっさり系がいいかなあ」 クラウドの、何気にちょっとしつこい味だし。 分けあって食べる事前提の発言に、クラウドの耳が熱くなった。 これではまるで、本物の恋人同士だ。 「おじさーん、ラムレーズンとグレープフルーツシャーベット1つずつ、両方ともワッフルで!!」 「はいよ!可愛いカップルだねえ、おまけしとくよ」 ワッフルコーンから溢れんばかりにもられたジェラートを、が大事そうに受け取る。 その片方をクラウドに差し出すと、自分はさっそくスプーンで山を削り始めた。 「あー……さっぱりしてて、すごくおいしい」 「、柑橘系好きだもんな」 「ラムレーズンみたいなのも好きだよ?いっぱい食べると飽きちゃうけどね」 笑いながらそう言ったは、クラウドの手元を見て小首を傾げる。 「おいしい?」 「うん。 「うん!」 喜々としてうなずいたが、スプーンをクラウドのジェラートに差し込んだ。 ほんの少しすくったそれを口に運んで、幸せそうにため息をつく。 「あー……おいしい……」 「それだけでいいのか?」 「うん。だって、そんなにたくさんもらうのって、申し訳ないんだもん」 ひとなめと言うのもおこがましいような量で終わったのを見て驚くクラウドに、はあっさりとうなずいた。 何とも彼女らしいと苦笑したクラウドが、今度はの手元を見て口を開く。 「のももらっていいか?」 「あ、うん。はい」 てっきりジェラートを差し出されると思っていたクラウドは、目の前に差し出されたスプーンにぎしりと固まった。 「……?」 「溶けちゃうよ?」 ごくごく普通にジェラートが乗ったスプーンを差し出したは、違和感を覚えてはいないようだ。 どうしよう、この「あーん」状態。 赤くなって完全にフリーズしてしまったクラウドに、は首を傾げるばかり。 そんな2人を遠巻きに見ていたセフィロスは、もう抜刀寸前だ。 「クラウド……!!」 「旦那、殺気!!殺気だだ漏れ!!」 クラウドの命が危ないとばかりに、自分が命がけでセフィロスを止めるザックス。 その間にも、顔を真っ赤にしたクラウドが、手ずからのジェラートを食べている。 あ、ちょっとうらやましい、なんてザックスがこっそり思ったのは秘密だ。 「おいしい?」 「……うん……」 ごくごく普通に幸せカップルもどきをしていた達(屋台の親父が微笑ましそうな顔で見ていた)だが、ここに至ってようやくがぴくりと反応した。 「殺気……?」 自分に向けられていないにしろ、かなり鋭いそれに、は目だけで辺りを見回す。 そして。 「あ、セフィロス!ザックス!!」 「げ……」 見つかったと口元を引きつらせるザックスを、セフィロスが自分の腕からべりりと引きはがす。 「」 「どうしたの?2人で出かけるなんて、珍しいじゃない」 よもや尾行されていたとは思いもしないが、クラウドの腕を取って近寄ってきた。 首を傾げて微笑んだは、ふと思いついたかのようにセフィロスを見上げる。 「4人で一緒におでかけしようよ!その方がにぎやかで楽しいし。ね?」 いいでしょ?と訊かれたクラウドに、もちろん断れるはずもない。 「……ああ……」 がくりとうなだれながら、次こそはと拳を握りしめるのだった。 ----------------------------------- 可愛い子とのデートで嬉しいヒロイン、好きな相手とのデートで嬉しいクラウド。 微妙に噛み合っていないけれど、これでもデートと言い張ります。 大人クラウドだと、セフィロスが本気で容赦なしに攻撃してきそうなので…(笑) クラウドはまだまだ子供なので、どうしたら女性を喜ばせることができるのかなんてわかっていません。 ザックスもわざわざ教えることもねえかー、みたいな感じで放置。 セフィロスにいたっては、そんなもの自分が知りたいという勢いの役立たずっぷり。 ソルジャーズ、揃って偏りすぎです。 ちなみにヒロインも、ちゃんとした意味での「デート」経験はない設定だったりします。 ほら、戦いに明け暮れていたから…(そんな理由か) siestaではみんなに可愛がられてよく出かけていますが、友情ですもの! 知らない同士でちょうどいい、そんなほのぼの(?)デートでした。 道仮獅さんからのリクエストでした。ありがとうございました! リクエスト品ということで、今回はフリーではありません。 お持ち帰りはご遠慮くださいー。 |