物語の多く候ふなる、ある限り見せ給へ。

       かかる憂き目にあひさうらふことこそ口惜しうさうらへ。



物語がたくさんありますとかいうのを、全部見せてください。

       このような辛い目に遭いますことが残念でございます。












というわけで、会話の現代語訳です。
「泡沫」の古語会話の現代語ってどんなものですか?との質問がありましたので、ちょうどいい機会だし…と思って(笑)




   如何はせむ」

「もとより我の努めるところをおこたるなれば」
「あさましきか」
「げに。わりなかれど、いま少し口惜しからむ」



これは英二の「わかんない!」発言を受けての会話。


   どうしようか」

「元はといえば、自分が努力するのを怠ったのが原因だからね」
「呆れてるんだ」
「うん。しょうがないけど、ちょっと残念だよね」


教えてあげてもいいかなーと思っていると、教える気があんまり(というかさらさら)ないフジコ。
もフジコも、苦笑しながら。




「されど、己がわろき癖どもいみじからむ」


「だけど、英二のこの悪い癖(=勉強しない癖)は、ちょっとやそっとじゃ直らないよね」


いつも同じクラスで泣きつかれているからこその、このセリフ。
英二のタチの悪さも熟知してます。

ちなみに古語では、「わろし」→「あし」の順番に悪さの程度が増していきます。
だからこそ、は英二に「わろしって言ってもらえてよかったね」と言ってます。
本人、フォローのつもり。




「たはぶれに 言霊交わし 菊の花 いかに楽しき 秘めたる思ひ」

「いとかなし たはぶれあそぶ 菊の花 菊と言へども つゆにしも濡れ」



「色話じゃないよね?」とが確かめているのは、「秘めたる思ひ」の一節があるから。
古典では秘めた思い=恋心と相場が決まってるので(笑)
…あれ?決まってる、よね…?

ちなみに意味は、

「ちょっとしたお遊びでこういう会話をして、英二をおちょくるのって面白いね!この会話の意味に気づいたら、どんな顔するんだろう?」
「可愛いよね、おちょくられてる英二君って。本人泣いちゃいそうだけど!」

というようなものです。


菊の花の季語は秋なのですが、掛詞の「つゆ」は夏だったか?秋だったか?と迷った挙句、当時はよく分からなかったので夏だと仮定しちゃいました!
ちなみに、「つゆ」の本当の季語は秋です。
だから本当は、この和歌は間違いなんです。

ただ、ヒロインもその場で間違って使っちゃうこともあるだろうなー、と思って強行。
すいません、ほんとすいません。
夏だと思っているからこそ、秋の季語である「菊」といえども、になるわけですね。



和歌の直訳だと、多分こんな感じ(適当)


「秋の日々に遊びながら会話をしていると、菊の花が興を添えてくれます。あなたと秘め事を交わすのは、なんと楽しいことなのでしょう」

「戯れに翻弄される菊の花は、何と愛らしいことでしょう。菊の花も季節外れの露をかぶり、涙に濡れているように見えます」