俺は今日、普段通りに部活に来たはずだ。
そのはずだ。
なのに、何でこんな目に遭わなきゃなんねぇんだ!?






死んでも嫌だ






が氷帝に来た。でかい荷物つきで。

こっちは部活中だっつーの。
まあ、こいつは部活の邪魔はしねえからいいけどな。

「ずいぶん大荷物だな」
「うん!是非宍戸君に着てもらいたいものがあって」

輝くようなの笑顔に、俺はすげえ嫌な予感がした。
本能的に後ずさりをしつつ、何となく聞いちゃいけねえという危険信号に逆らって訊いてみる。

「な……何を、だ……?」
「うん、あのね」

ごそごそとやって紙袋から出てきたソレを見て、本気で全速力で逃げ出したい衝動に駆られた。


「これv」


   ちょっと待て。

何で俺がひらひらふりふりのピンクハウス系の服を着なきゃなんねぇんだ!?


俺は男だぞ!?


「あのね、おばさまが買ってくださったの。私も着てみたんだけど、宍戸君ぐらいの身長なら何とか着れると思うから   ね?」
「ジローとか岳人でやれよ!」
よりによって、何で俺なんだ!?

「あの子達もそりゃあ可愛いでしょうけど……私ね、宍戸君の髪をいじりたいの」


そうかそうか、俺の髪をか   って、ちょっと待て。


「だったらそんな服着る意味ねぇじゃねえか!」
「えー?だって、せっかくだし」

むくれるな。拗ねるな。そんな顔しても無駄だからな!


「ね?」
「ふざけんな」

「いいでしょ?」
「ふ・ざ・け・ん・な!!」


何と言われようと嫌だ!


「う……」


あ、やべ。こいつ泣きそう。


「うわーん、ゆーしー!!」


忍足かよ!?そこで忍足呼ぶのかよ!?


「どないしたんや。お、可愛え服やん」
忍足は忍足で、の頭なでてるしよ。
激ダサだぜ、まったく。

「新しく買うたんか?」
「ううん、おばさまに買ってもらったの。それで、宍戸君に着てもらおうと思ったんだけど   

忍足の奴が盛大に吹き出しやがった。
ちくしょう、笑ってないで止めやがれ!

「な……何で宍戸なん?岳人とかジローの方が……ぷぷっ」
「うん、身長的にはそっちの方が断然可愛いんだけどね。でもやっぱり私としては、宍戸君のサラサラヘアをいじってみたいわけ!なのに、宍戸君たら嫌だって言うのー……」


……今なら俺にもわかる。


こいつ、嘘泣きしてやがる。


ちゃん、どしたの?」
?」
「どうしたんだよ、あぁん?」

「あのね   

から話を聞いた奴らがにやりと笑った。


……俺の人生、終わったかもしんねぇ……。




それから20分ぐらい逃げ回ったが、こいつらも伊達にレギュラーやってねえ。
あっさり捕まって、今はに髪をいじられてる。

「やっぱり、髪さらさらだね。いじりがいがあって好き」

こいつは上機嫌でも、俺の機嫌は最悪だっつの。
服はきついし髪は引っ張られて気分悪ぃし、ちくしょう。

「できたっ!!」
「ああ、そうかよ」

そりゃあよかったなあ   って、ちょっと待て!


何で他のレギュラー呼んでやがるんだよ!!


「できたよー。すっごく可愛いの!!」

「どれど   ぶっ!」
「どうしたんだよ、ゆ   ぶっ!」

おい、そこの漫才D2コンビ。その反応は何だ?

「し……ししし、宍戸さん?」
「……んだよ」

長太郎、その引きつった顔をどうにかしろ。

ちゃん、やるねー」
「ありがとう、萩君v」

おい、そこ!和むな!

「ししど、かわEー!ちゃんすっげー!!」
「ありがと!」

だから和むな!

「ちょっとお化粧してみたの。人にするのなんて初めてだからどっきどきだったけど
……うまくできてよかった。あ、宍戸君、顔こするの禁止ね」

が喜々として言ってやがるが、んなことはどうでもいい。
俺は着替える!




「いやあ、しっかし……宍戸があんなに女装が似合うとは思わんかったわ」
「俺も。ちょっと顔きつめだけどさ、そこら辺にいそうだったよな!」
「身長さえ気にしなきゃな」
「確かに……」