正直、彼らと関わろうと思ったことはなかった。
彼らは近寄るにはまぶしすぎて、鮮烈すぎて、苛烈すぎて、華麗すぎて。
何の変哲もないちんくしゃな小娘が近づくほど、彼らは気安い存在じゃなかったのだ。
少なくとも、私にとっては。
「、あんたはまたそんな格好をして!」
「リディ、勘弁してよ……あと少しでこの方程式の謎が解けるんだから」
マグル出身、東洋と西洋の融合から生まれたこの身体(身も蓋もなく言ってしまえば単なるハーフ)(ちょっとぐらいかっこつけさせてくれてもいいと思う)
父親が西洋人だから、まあこの顔は気に入ってるけど。
けど!
私はリディのお人形になる筋合いはない……!(ギリギリギリ)
どうせチビだよ、半端に童顔だよへちゃむくれだよ!
「ほら、ちゃんと起きあがる!髪とかす!これに着替える!」
「どれもいらない!ついでに言うと、最後のは余計だコンチクショウ!!」
びらっびらの洋服を突きつけられて反射的に怒鳴り返し、また目の前の羊皮紙に集中する。
見た目がどうした、今はこの研究を追いかける方が重要だ!
「着飾れば十分可愛くなるのに……」
「着飾らなきゃ可愛くならないなんて、所詮その程度のレベルだってことでしょ」
さめざめと泣き真似をするリディにそう返して、後はもう数字と睨めっこ。
ええと、ここの理論がこれに適応されるから……こっちはどういう理論なんだ?
ああぁぁあ、あと少しでわかりそうなのに……!
「ああもう、!今日はそこまで!」
「ああっ!!」
羊皮紙を奪われ、ついでにベッドからべりりと引きはがされて、思わず悲痛な声か出る。
「あんた、朝からずっとそのまんまでしょ!朝ご飯も食べてないし、顔すら洗ってないし、そんなんじゃ女の子失格よ!」
「失格でいいよ」
「よくないわよ!!」
がおうと怒鳴られた……。
「大体あんた、今何時だと思ってんのよ。いい加減大広間に行かないと、お昼も食いっぱぐれるわよ」
何より、私がお腹空いた。
胸を張ってそう言ったリディに、それじゃあ1人で行けばいいじゃないとは言えなかった。
放っとけばご飯を食べないことになりかねない私を気遣ってくれてるんだって、ちゃんとわかってるから。
「 それじゃ、とりあえず行くとしますか」
大きく伸びをして部屋を出ようとしたら、すかさずリディに「顔洗う!着替える!」と怒られた。
ちょっと切ない……。
でも、後から思い返すだに、この時リディに従って大広間に行かなかった方が、後々の私の人生は平凡で平和だったんじゃないかと思うのだ。
っていうか、確実にそうだった。うん。
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