何 だ こ れ 。

激しい破裂音、鳴り響くチャルメラの笛、鳴きわめくヤギや羊やその他諸々。


「……ねえリディ、私まだ夢でも見てるのかな?」
「はー……こりゃまた、派手にやったわねえ」


多分絶対、私引きつった顔してる。

横のリディはというと、呆れたような感心したような声をもらした。

「やあ、リディア!どうだい、楽しんでくれてるかい?」
「ジェームズ、これどうしたの?」

特に動物。


苦笑したリディの問いかけに、ジェームズは元気一杯に胸を張った。

「もちろん、変身術さ!どうだい、この出来映え」



「……獣臭い……」



小さい小さい私の呟きは、幸いにもいろんな音にかき消されて、ジェームズまでは届かなかったようだ。

でもほんと、勘弁。
臭いがこもって、さすがにこれはちょっと……。


「ごめん、私帰る……」

「え?   ちょっと、あなた顔色悪いわよ!?」


昔から、この獣臭さは大の苦手なんだよ、私。
こんなところに長居はしたくないし、ご飯なんてもってのほか。

「どうしたんだい!?ええと   
よ、!同じ寮なんだから、それぐらい覚えておきなさいよ。何年いると思ってるの」

力強くリディがジェームズの頭をはたく。
うん、いい音。

、もういいから、部屋に戻ってなさい。お昼は持ってってあげる」
「ありがと……」

できるだけ素早く大広間を出てきっちりと扉を閉め、ようやく大きく息をつく。
空気がおいしいって、こういうことを言うんだね!


「……お腹空いた」


1回空腹を感じてしまうと、余計にそれが気になる。
早くリディが来てくれることを願いながら、寮へと足を向けた。

はず、だったのだけれど。