ひたすら泣くだけの私を詮索するようなことはせずに、リディはただずっと背中をなでてくれていた。
その温かさにほっとして、子供みたいに声をあげて泣く。








「嫌いよ……」
「そうね」

「大っ嫌い……」
「ええ、わかるわ」


誰がとか、どうしてとか、そう言うことは一切言っていないのに、リディは全部にうなずいてくれる。


、安心して。あなたを泣かせた奴、私がひっぱたいてきてあげるから!」
「いや……それは……」


ここぞとばかりにリディが握り拳を作るけど、あのシリウスにそんなことをしたら……。


「リディが危ないから、それはやめて」
「危ない?そんな奴に泣かされたの!?」
「いや……女の子が怖」
「シリウスね!!」



正直に言おう。



今のリディの表情の方が、100万倍怖い。




憤怒の悪魔ラースが降臨したようなリディに怯えつつも、その友情にハグを。


「ありがと、リディ。でもいいの、シリウスが謝るとは思えないし」
「ええ同感だわあんな最低男にそんなデリカシーなんて皆無にきまってるもの」


すわった目でノンブレス。
怖い怖い怖い!


「だ、だから、もう関わらないことにしたから。リディも蒸し返したりしないでね?」
「……オーケー。ただし!またあいつに何かされたらすぐに言うのよ!」


渋々だけどうなずいてくれたリディにもう一度ハグをして、最近ご無沙汰だったあの羊皮紙を広げる。
黙々と解いていくうちに、ささくれだった気持ちがだんだん落ち着いてきた。


、先に着替えちゃいなさいよ。その方がゆっくりするし」
「うんー」


どうせ夕食はここで食べるんでしょ、と言われて、ベッドに羊皮紙を投げながらタイをほどく。
ゆったりした上下に着替えて、寝っ転がりながらガリガリとペンを走らせても、リディは何も言わなかった。

持ってきてくれた夕食は量が多かったけど、私の好きなものばっかり。
ああ、だからリディって大好きだよ!