シリウスの挙動不審さに首を傾げていたら、満面の笑顔のジェームズが間に入ってきた。
そういう間合いの良さはさすがと言うべき?
まあ、正直お近づきにはなりたくないけど……(だって暑苦しそうだし)
「、考えてみれば僕らはお互いのことを全然知らないね!」
「考えてみなくても大前提として一目瞭然だよね」
「だからまず、僕らのことを知ってもらおうと思う」
至極当たり前の突っ込みは無視された。
「さあ、大広間に行こうか」
「あの、リディがいるから1人で」
「まあまあ、いいじゃない」
腕をジェームズにとられ、背中をリーマスに押され、もう逃げられない。
ちょ、このまま行くと、恋する乙女達のおっそろしい視線を独り占めしちゃったりしない!?
何とか逃げ出そうと必死に抵抗しても、超絶笑顔の2人から逃げ出せるはずもなく。
「……リディ、たすけて……」
死にそうな顔でリディとご対面。
大広間に入った瞬間、お姉様からお嬢さんまで、ものすごい数の視線を感じましたとも!
「あんた達……に何してんのよ!」
その手を離しなさい、穢れる!!
悪戯仕掛け人にここまで啖呵を切れる女の子も、そうそういないだろうなあ。
さすがリディ。
「あー、確かにジェームズは穢れそうだよな」
横にいたシリウスが、何故か私の頭に手を乗せながらのんびりとそう同意する。
ていうか、その手は一体何?
「あんたもよ、シリウス!」
「ひっでぇ!!」
ぎゃいのぎゃいのと2人が舌戦を交わしている間に、シリウスの手をぺいっと払ってリディの後ろに隠れる。
さてどうしたものかと辺りを見回すと、よりにもよってジェームズとばちりと目が合ってしまった。
きゅん!と擬音語がつきそうな感じで見つめられて、思わずさらにリディの後ろに身を隠す。
きゅんきゅんきゅん!
更に音が聞こえてきそうな感じでジェームズが悶える。
「……リディ。変な人がいる」
リディの袖を引いて注意を引くと、つられてシリウスまで私の視線を追った。
そして。
「何気持ち悪い悶え方してるのよ!」
「お前それ、完全に変態だぞ!?」
あーうん、私の言いたいことを全部代弁してくれて、なおかつちゃんと対処もしてくれてる。
リディの行動は大体予想がついてたけど、まさかシリウスまで一緒にのってくれるとは思わなかった。
リディに口で攻撃され、シリウスに手で攻撃され、これでちょっとはおとなしくなってく って。
……さっきよりもさらに目立ってるから!!
「リ……リディ、リディ、もういいよ」
「何言ってるのよ、こういう奴は一気につぶしておかないと 」
「め……目立ってるよ……」
恐る恐るそう訴えると、リディもはたと周囲の状況に気づいたようだった。
「……そうね。こんな馬鹿につきあってないで、早く食べましょうか」
「うん」
よかった、これでようやく注目を浴びなくて済む。
ほうと安堵の息をついて、リディの腕を引いてそそくさと席に着いた。
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