セブンズヘブンでのの役目は、もっぱらマリンの遊び相手だ。
ちゃんとバレットとも会って、マリンと遊ぶ許可をもらっている。
初めて会った時には、本気でヤクザかと思ったが。
「ええと……ミスター・ウォーレス?」
「あ?んだよ、お高くとまりやがって」
第一印象・最悪。
口元がひくつきそうになるのをこらえつつ、できるだけ困ったように微笑む。
「初対面の相手には、最低限の礼儀を守るものでしょう?」
一見揶揄ともとれる発言に、今度はバレットのこめかみが引きつった。
それに内心ガッツポーズをしながら、はさらに続ける。
「でも あなたがそう望むなら」
上品そうに見える微笑みから、にやりとした笑みに変えて。
「いっくらでも乱暴にできるけど?」
その変貌ぶりを目の当たりにしたバレットは、一瞬虚を突かれたような表情になり、次いで破顔した。
「お前、おもしれえじゃねえか!気に入ったぜ!!」
ばっしばっしと叩かれた肩は痛かったが、とりあえず波風がたたなくてよかったと胸をなで下ろしたものだ。
マリンと手遊びをしながらその時のことをしみじみと思い出していたが、不意に目を鋭くした。
何か、来る。
「マリン、まだお店はやってたっけ?」
「うん。今日はティファはいないけど、みんないるはずだよ」
「ティファが、いない?」
そういえば、ちょっと出かけてくると言っていた気がする。
最近はそういうことが多かったから、すっかり気にしなくなっていた。
「……うかつだったな」
巧妙に気配を隠してはいるが、気配が一つ、店にむかって近づいてくる。
その前には、バレット達の慌ただしい足音。
追われている?
「マリンはここにいなさい。私がいいと言うまで、何があっても出てこないこと。いいね?」
「うん……」
の表情から何かを感じ取ったのか、マリンも不安げな様子でうなずいた。
それをしっかりと確認してから、は足音を消して階下に駆け下りる。
店に通じる廊下に差しかかったところで、アームガンの激しい銃声がした。
間に合わなかったか !
「バレット!!」
焦って飛び出したは、剣を構えた姿で固まった。
「…………え?」
完全なる戦闘体制で対峙した、その相手は。
「 え?」
金の髪、白い肌、黒の戦闘服。
「…………?」
記憶にあるよりもずっと背も伸びて、顔立ちも凛々しくなり、声も低くなってはいるけれど、その面影は確かに。
「 クラウド?」
耳に輝く青いピアスは、ソルジャー試験合格の置き土産。
自身がメッセージと共に贈ったものだった。
信じられないといった様子で立ちすくんでいたクラウドは、のその呟きで弾かれたように動きだす。
「 っ、!!」
戦う者にとって、何よりも大切なはずの武器。
そのバスターソードを投げ出して、駆け寄って、消えるのを恐れるかのように、ものすごい力で引き寄せる。
力の限りに抱きしめるクラウドの背をなでながら、は苦しさなどおくびにも出さずに微笑んだ。
「クラウド、久しぶりだね。ずいぶん立派になって、誰だかわからなかったよ」
「、どうして急に……っ!!」
彼が小さく震えているのに気づいたは、その背にそっと腕を回して抱きしめる。
「ごめんね、後でゆっくり話すよ。 セフィロスやザックスは?」
生きてはいないかもしれないと覚悟しながら訊いたに、クラウドがはっとした表情になった。
「そうだ!、一緒に来てくれよ。会わせなきゃ!」
「……生きてるの?」
「もちろん!」
即座に返された返答に、思わず涙があふれる。
「 会いたい……」
セフィロスが生きていた。
ザックスも、死んでいなかった。
それだけで、もう充分だ。
「 でも、今はティファのお手伝いをしなきゃ」
そう言いながらティファを見ると、彼女のみならず、その場の全員が呆気にとられた表情で2人を見ていた。
「あー……?あなた、クラウドと知り合いなの?」
戸惑ったような表情で訊かれ、も2人の関係を知らないことになっていると気がついた。
「ええと……そういう2人は、知り合いなの?」
「……幼馴染み、です」
クラウドを見上げて首を傾げると、気まずそうに目をそらされた。
それには特に気にせずにうなずいて、はティファの方を向いた。
「なるほどね、ニブルヘイム……だっけ?」
「ええ」
うなずいたティファに手を差し出して(腰はクラウドにしっかりととらえられているため、何とも間抜けな図だったが)微笑む。
「改めて、初めまして。私はクラウドの師にして友、元ソルジャーのです」
てっきりティファも笑い返してくれると思っていたは、いつまったっても反応がないのに首を傾げた。
と。
「信じられない!、ソルジャーだったの!?」
「こんな細っこい腕で、マジでそんなことできんのかよ!?」
「女のソルジャーなんて、聞いたことないっスよ!」
アバランチ、てんやわんやの大騒ぎ。
「……クラウド。もしかして私、まずいこと言っちゃったかな……」
「……。女のソルジャーって、後にも先にもしかいないんだ……」
ソルジャー組がこそこそやっていると、ティファがの手をがっしと握りしめた。
「!!伍番魔晄炉の爆破、手伝って!!」
「 は?」
|