「 ザックス!!」
「!無事か?」
住民の避難を誘導していたザックスが、駆け寄ってきたの全身を素早くチェックする。
特に外傷がないことを確認すると、大きく安堵の息をついた。
「お前が怪我すると、セフィロスがうるせえからなあ」
「私よりもエアリスの心配をしなさいよ」
呆れたように息を吐いて、けれど次の瞬間、は真剣な表情になる。
今はふざけている場合ではないのだ。
「セフィロスは?着替えなきゃ」
「西ブロックに行った。プレートにはアバランチが行ったぞ」
「アバランチ!?」
ザックスの言葉に、思わず耳を疑った。
これでは原作通り、バレット以外は死んでしまうではないか。
「あの人達だけじゃ無駄死にするって、それくらいわかるでしょ!?」
どうして止めてくれなかったのか、せめて一緒に行ってくれなかったのか。
詰め寄るの肩を抱き、ザックスは苦く笑った。
「アバランチ自身に拒否されたんだよ。神羅の人間の手なんか借りるかって、柄の悪い大男がな」
アームガンで威嚇されちゃ、それ以上介入できねえだろ。
自分達ならば怪我ひとつなく終わらせることができるかもしれないのに、それができないもどかしさ。
ザックスの表情からありありとそれを読み取ったも、苦い顔でうなずいた。
「……セフィロスのところに、行ってくる」
「おう。急いでくれよ」
クラウド達と入れ違うようにその場を離れたは、まだ移動していない人々を誘導しながらセフィロスを探す。
腕輪に宿ったラピスラズリの力をたどれば、それは難しいことではなかった。
金の髪をなびかせながら住民を誘導していたセフィロスに駆け寄ると、大声で名前を呼ばれる。
「!」
「よかった、無事だったんだね」
「も」
軽く抱かれたはやはり軽く抱き返し、すぐに身体を離して首を傾げた。
「着替えたいの。服、ちょうだい?」
セフィロスもそれは承知していたようで、すぐさま小さな包みを渡される。
「武器は」
「すぐ出せる、問題ない」
手近な民家に飛びこんで手早く着替えると、セフィロスと再び別れて住民の誘導にあたる。
「こちらは神羅だ!まもなくこの地区のプレートを爆破・落下させる!命が惜しければ、すぐに他の地区へ退避なさい!!」
ソルジャーの証である魔晄色の瞳を見れば、誰もが即座に従ってくれる。
神羅と対立する身でありながらその名を利用していることに後味の悪さを感じながらも、人命には代えられないとは強く唇を噛みしめた。
「あらかた避難は終わったよ!」
「こちらもだ」
とセフィロスがプレートに戻ってきた時には、すでにクラウド達は上に向かった後のようだった。
血みどろになったウェッジがこと切れている。
落下の衝撃で辺りに血と体液が飛び散り、本当に最期の会話を交わせたのだろうかと思うほどの有様だ。
「酷い……」
思わず眉を顰めたの肩を、セフィロスが強く抱いた。
「 行こう、」
「 うん」
プレートの上では、まだ銃声が響いている。
まだ生きている人がいる。
ならば、今ある命のために動かなければ。
階段を駆け上がり、途中でこと切れた神羅兵やアバランチの面々に短い黙祷を捧げ。
「クラウド!!」
レノと戦闘を繰り広げているクラウド達を見て、は思わず声をあげた。
同時にセフィロスが正宗を抜刀し、ティファを捕えていたピラミッドを破壊する。
「あ……ありがとう……」
久し振りに間近で見た『英雄』に見とれながら、ティファが呟くようにお礼を言った。
それに(ソルジャーズにしかわからないほど)微かに笑ってうなずいたセフィロスは、すぐに真顔でレノに向き直る。
「『英雄』セフィロスか。まさかこんなところで見つけるとは、思いもしなかったぞ、と」
「タークスか。エアリスがずいぶんと迷惑がっていたぞ」
「あんた、相変わらずエアリスの尻追っかけてたの?宝条のお守りも大変ねー」
脇からのんびりと言ったに今更気づき、レノがぎょっとしたような表情になった。
「、か……?今までどこにっていうか、どうやったらそんなに若作りでき」
「お黙りこのお笑い要員」
輝かんばかりの笑顔でレノを遮り、が思いっきり剣を足元に突き立てる。
嫌な音をたててプレートにめりこんでいく剣を見て、レノの顔から血の気が引いた。
「な……何でもありま、せん……」
「よろしい」
今度こそにっこりと笑っただが、よく見るとまだ目が笑っていない。
いとも軽々と剣を引き抜いて構える、その横で正宗を下段に構えるセフィロス、そして元からいるクラウドとザックス。
さすがにソルジャー4人を相手にするのは厳しいと思ったのか、レノが小さく舌打ちをした。
「仕方ねえな、と」
ちらりと柱の下を見てそう呟き、そのままためらいもせずに手すりの外に身を踊らせる。
「な 」
「スキッフ!!」
突然の行動に驚くバレットを遮り、思い出したが叫ぶ。
それとほぼ同時に現れたスキッフを見て、ザックスが目をむいた。
「 エアリス!!」
|