「リーブだな」
「嘘、リーブさん!?」
名前を聞いた瞬間、予想外にもが反応した。
ぱっと顔を輝かせ、クラウドにのしかかるようにして下を覗きこむ。
そしていかにも生真面目そうな顔を見つけて、小さな声で大喜びをした。
「本当にリーブさんだ!ちょっと老けたなあ、でも統括になれたんだ」
「……、重い」
「あ、ごめん」
不満そうな声で呟いたクラウドの上からさっと離れ、はおとなしくセフィロスの横に戻る。
ケット・シーとして会ったら思いっきり抱きしめてもっふもふにしてやろうとうっきうきの彼女に、ザックスが不思議そうに首を傾げた。
「旦那もも、なんでそいつを知ってるんだ?聞いたこともないぞ、俺」
「あれは将来有望な男だったからな。5年前は八番街の開発課長だったが……」
よくぞここまで上り詰めたものだとしみじみするセフィロスとは対照的に、がにんまりと笑う。
「リーブさん、ああ見えて可愛いもの好きなんだよねえ。たまたまぬいぐるみの話で盛り上がってさ、メアド交換するくらい仲良かったよ」
チョコボのぬいぐるみとかくれたけど、あれものすごくお気に入りなんだよね。
どこにも売ってなかったけど、一体どこで買ったんだろ?
ものすごく残念がるの言葉を聞きながら、ザックスががくりと両手を床につけた。
あの顔で可愛いもの好き。
あの顔で、にチョコボぬいぐるみをプレゼント。
あのダンディーな顔で。
色々と打ちのめされて撃沈したザックスの脇をつつくに、テイファのうろんな目が向けられた。
「……何してるの?。ザックスもなんで妙な格好してるのよ」
「この後の方向性が決まった。いくぞ、みんな」
どうやら3人で遊んでいる間に、眼下の会議は終わっていたらしい。
彼らの阿呆なノリに慣れているクラウドの冷静な言葉で、それぞれが何事もなかったかのようにトイレへと逆戻りをする。
この切り換えの素早さは、さすがというべきか。
「で。どうするつもりだ?クラウド」
「やっぱり聞いてなかったのか、あんた……。宝条がエアリスをどうこうするって言ってただろ?とりあえず、宝条を追う」
「げっ!!エアリスのやつ、宝条にとっ捕まってるのかよ!」
呆れたようなクラウドのその言葉を聞いた瞬間、ザックスの顔が盛大に引きつった。
やべえやら早く助けないとやら呟いているその横で、そういえば宝条とは血がつながっているんだったと、がセフィロスを見上げる。
……うん。
遺伝子の神秘、万歳……!(全っ然似なくてよかった!)(みんな思ってるけど!!)
「 どうした?」
視線に気づいて振り向いたセフィロスの腰に、感極まったが抱きついた。
「セフィロス……セフィロスは、ずっとそのままでいてね……!」
「……?ああ」
彼女の力一杯も、セフィロスにしてみればまだまだ余裕の領域だ。
さりげなく抱きしめ返してスキンシップを楽しむセフィロスを、額に青筋を立てそうな勢いでクラウドが引きはがす。
「じゃれるのは後にしてくれ……!潜入中なんだぞ、わかってるのか?」
「ごめんごめん、見覚えのある場所だと気がゆるんじゃって」
「それに、このフロアは基本的に人がいないだろう」
「そういう問題じゃないだろう、セフィロス……」
額を押さえてため息をついたクラウドの腕を、ようやく自分の世界から戻ってきたザックスが強くつかんだ。
「クラウド、早いとこエアリスを助けようぜ。宝条につかまったなら、何をされてもおかしくない」
顔が必死だ。
かなり必死だ。
そこまで恋人が大事なのか、それとも単にエアリスが怖すぎるだけなのか。
まあ前者なのだろうと好意的な解釈をして、も真顔に切り換える。
「それもそうだね。あの変態、何考えてるかわかったものじゃないし」
確か本編だと、ナナキと交配させられそうに って、ちょっと待て。
「あああああ……!」
そそそそうだナナキ!!
すっかり忘れてたけど、あの子も今ここにいるんじゃないか……!
エアリスは最強だから心配いらないが、ナナキはものすごく心配だ。
「い、行こうクラウド!さっさと助けよう、ね?」
奇声をあげた上にいきなり慌てだしたに、誰もが訝しげな目を向ける。
一体どうしたというのだろうか、彼女は。
何か慌てるような言葉でもあっただろうか。
だがしかし、言っていることは至極真っ当だったため、クラウドも特に何も言わずにうなずいた。
足音をたてずに走るの顔色がやけに悪いのが、妙に印象的だった。
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