「駄目。セフィロスはレッド13を。 クラウド、乗せて」
何故かクラウドを指名する。
セフィロスの射殺しそうな視線が、容赦なくクラウドに突き刺さる。
今度こそ死ぬかもしれないと遠い目をしているクラウドには一切気づかず、がセフィロスにぴしゃりと言い切った。
「体重。チョコボがダウンしちゃうでしょ?」
セフィロスの体重にのそれが加わったら、確かにチョコボが長距離走るのは辛そうだ。
悔しいながらも納得してうなずいたセフィロスが、レッド13を抱き上げてチョコボにまたがった。
バレットとティファの騎乗を手伝ってから、クラウドともチョコボの上に乗る。
「あ、私前で」
「前?」
「前方を確認できた方が、バランスとりやすいの」
前にまたがろうとしたクラウドにが声をかけ、先に自分がまたがった。
彼女が前につめて開いた空間に乗りこむと、クラウドが軽く手綱を引く。
「みんな、いいか?」
「おう!」
勢いよく腕を振り上げたバレットにうなずいて、クラウドがチョコボを走らせ始めた。
次々と続くチョコボの黄色に目を細めて、は後ろにもたれかかる。
「クラウド、ザックスよりずっとチョコボの扱いが丁寧だね」
「そうか?」
「うん。ザックスはちょっと荒っぽくて」
うっかりすると酔いそうになると苦笑するの身体が柔らかくて、クラウドの頬が思わず紅潮した。
同時に、彼女が前でよかったと心底思う。
後ろだと、密着する場所が悪すぎる。
色々な意味で。
風ですぐに飛ばされているはずなのに、いい匂いまでしているような錯覚がおきた。
くらくらする。
「クラウド、大丈夫かー?」
そんな彼の内心を知ってか知らずか、チョコボを横づけしたザックスが、からかうように声をかけた。
後ろではエアリスも笑っている。
弟分のような彼の反応が楽しくて微笑ましくて仕方ないのだ。
「はほっとくと寝るからな、時々つついて起こしてやれよー」
「失礼な!こんなにたっぷり寝た後は、さすがに転落するわけないでしょ!!」
実は過去に何回か落ちそうになった経験がある、今度はこちらが顔を赤らめて言い返した。
「どうかな。俺と乗った時も、何度か寝そうになっただろう」
「う……セフィロスまで……」
ちなみに、セフィロスとのタンデムは、割と睡眠をとっている時が多かったりする。
セフィロスのからかうような笑顔に一瞬言葉をつまらせて、が情けなく眉を下げた。
そのまま首を回して、クラウドを見上げる。
「……寝たら、起こして」
「……わかった」
つまりは自信がないわけかと、クラウドも小さく苦笑した。
ミスリルマインまでの道のりで、が意識を飛ばした回数は 。
「ね、寝てないってば!!」
「……なあ、エアリス。何回目だ?」
「覚えてない!、おもしろいね!」
まあ、そういうわけで。
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