どうやらそういう訳らしく。


「リョーマ…もうちょっと粘ろうよ」
ヤだ
「いや、ヤだじゃなくってさ!」


データとられるの嫌だよ!


いつものようにリョーマが帰ってきたから出迎えに行ったら、何故か余計なおまけまでついてきた。
思わずリョーマの首根っこを引っ掴んでずーるずーる。
レギュラー陣を下に待たせて、リョーマとこそこそ私の部屋でやってます☆


てか、なんでレギュラー全員来てんだヨ!


「頑張れ。いいじゃん、どうせ何も覚えてないんだから」
「ヤダ!」
「ヤダじゃなくて。行くよ」


ずーるずーる。


抵抗むなしく引きずられ(くそっ、さっきの仕返しか!?)子羊よろしくレギュラーの前に差し出された。
ああ、どこからともなくドナドナが聞こえてくるよ…。


「やっほーちゃんv」
「やほー、英二君」


……何やってんだ自分!
ノリで同じように返してどうする!(ガッデム!)


「何で帰っちゃったんだよー、つまんないじゃん」
「ごめんね、おば様のお手伝いしなきゃいけなくて」


拗ねた英二(可愛い!)の頭を撫でてあげると、ぎゅーっと抱きつかれた。
猫みたいで、嫌な感じは全然ない。


「こら、英二」


やっぱり止めに入るのは、マザー大石(マザーやめれ)


「ごめん。俺は大石秀一郎、英二とはダブルスのペアなんだ」


べりっと英二をはがしながら、マザーは申し訳なさそうに頭を下げた。


「よろしく、大石君」


その頭を撫でさせてくださいというのは駄目ですか?(駄目です)


「大石君はテニスうまいの?」
「僕達は全員レギュラーだよ」


知ってはいるけど一応訊いてみると(ウッカリぽろりしちゃって、後でいろいろ詮索されるのは勘弁してもらいたい)、何故か横からフジコが口を挟んできた。
マザーも何も言ってこない。

おーい、私マザーに訊いたんですけどー?


そうか、マザーは立場が弱すぎるんだね……。
フジコの魔王っぷりに逆らえなかったんだね…。



知られざる(や、同人の世界では常識になりつつあるけどさ)真実にほろりとしつつ、フジコの方を見る。


「あなた、さっきの……どうもありがとうございました」


とりあえず助けてもらったのは事実なので頭を下げると、フジコは笑って(いつも笑ってるけど、何となく雰囲気でそう思った)かぶりを振った。


「気にしないで。それに、あの格好はちょっと……ね?」
「やりたくてやったんじゃないもん……」


含みのある言い方に、頬が熱くなっていくのがわかる。
恥ずかしくて死にそうだヨ!
涙目で睨みつけた(心底キモいと思った……)私の頭を、フジコがくすりと笑いながら優しくなでる。


「ごめんごめん。僕は不二周助、よろしくね」
「……よろしく」

ところで
「ぅわっ!?」


フジコと握手したら、突然乾がにょきっと生えてきた。びびった……!


「俺は乾貞治というんだが……君の事を少し詳しく教えてもらいたい。越前とはどういう関係なんだ?」


うっわ、眼鏡光った!
しかもノート開いてるよおい!(怖!)

……仕方ないか……。


「さっきはどうも、乾君。あんまり詳しくは答えられないけど、とりあえずはただの居候だよ?」
「親戚か?それにしてはあまり似ていないが……それに、詳しく答えられないとは?」




さて、せいぜいだまくらかしますか。




「名前と年しかわからないから」
「へ?どういうことっスか?」


おお、桃よ。
相変わらずつんつんしてるね(頭が)


「そのまんま。えっと……君誰?」


知らない振りして首を傾げると、桃は慌てたように姿勢を正す。


「あ、俺、桃城武です。桃ちゃんって読んでください!」


びしっと自分を指して笑った桃を、マムがけっと馬鹿にした。
……あー、また始まるかな、こりゃ。


「馬鹿みたいなこと言ってんじゃねえぞ」
「あ?何だマムシ、やんのかコラ」


おう、険悪☆わくわくしちゃうよ!
でも止めなきゃね、ウザいだけだし(そこかよ)(そうだよ)


「はいストップ!君達何しに来たのさ。桃ちゃんも挑発に乗らない!そっちの君も   えと、誰だっけ?」
「……海堂……薫、です」


嫌々ながらも律儀に名前まで教えてくれるマムに、にっこりと笑いかける。


「海堂君ね?薫って素敵」


実は私、マムってどうしてなかなか可愛い奴だと思ってます。
カルピンに振られてがっかりしてるのが可愛くてv


「……そうですか?」


あ、照れてる照れてる。かーわーいーいー!(ぇ)


「うん、綺麗で素敵。薫君って呼んでいい?」
「……っス」


ふしゅう、と息を吐いたけど、多分きっとおそらく絶対照れ隠し。
だって、耳赤いよ?


「もしかして、5月生まれ?」
「はい」
「え?何でわかったの?」


びっくりしてるね英二君。
古典は苦手かい?


「薫風っていうもんね。それに君、すごくいい目をしてる。私、そういうまっすぐな目好きだな」


目つき悪いけどね、元の世界にも目つき悪くて優しい、大好きな友達いるし。
全然怖くないよ。

ああ赤い。可愛い可愛い。


「ところで、名前と年しかわからないっていうのは?」


良識派のマザーが話題を元に戻した。
ちっ、このままそれていけばよかったものを……!


「あ、ごめん。ええとね、私リョーマに拾われたの」
「え?」
「記憶ないんだよね、綺麗さっぱりすっぱりと」


嘘をさらりと言う。
魔王のセンサーに引っかからないかが心配だ(ガタブル)




「『名前はかぐや、お年は4さい』」




「「え!?」」
「あははは、冗談冗談。15歳だよ、多分ね」


びっくりしてるレギュラー陣にからからと笑ってみせる。

某あなないの姫君みたいになれたらよかったんだけどね。
あいにくと、記憶を持ち合わせているもので。


「同じ学年か」
「うん、多分   って、君と?」


一度言って見たかった、彼にこのセリフ!
あ、眉間のしわが増えた。


、この人部長の手塚先輩」


笑いをこらえたリョーマの言葉に(そうだよね、ここは笑うとこだよね!)、ちょっぴり驚いてみせる。


「へえ!高校生かと思った。大人っぽいねえ、手塚君」


ごめんねと謝ると、彼は大人らしくかぶりを振る(本当に中学生かよ)(むしろほんとの部長だろあんた)


「気にするな」
「ほんとごめん。   で、君達結局何しに来たわけ?」


それが本当にわからない。
人の素性を知るにしろ、特に部長とかマムとか来そうにないのに。


「君に興味があってね」
「全員?」


疑ってますと目に書いてフジコを見ると、奴はにっこりと(黒く)笑った。




「一部引きずって来たけどね」




海堂とか手塚とか手塚とか手塚とか。


……部長、そんなに抵抗したんだ……。

哀れ部長。


「大変だね……」


ぽむと肩を叩くと、部長はちょっぴりうなだれた。
……本気で苦労してるんだ……。

   あ、そういえば。


「多分一応知ってるとは思うけど、私は。リョーマの家にお世話になってます」


よろしくお願いしますと頭を下げると、みんなの笑顔が返ってきた。
ちょっと嬉しかった。