ああ、何かこのむやみやたらとエロい声は知ってる気がするなあと思いつつ振り向くと、やっぱりべったまだった。


「俺の親友のや。可愛えやろ?」
「侑士侑士、おだてても何も出てこない」


私の肩を両手でつかんで笑う侑士に、ぱたぱたと手を振る。
こんな美人さん達の中で、中の中(だと、思いたい。せめて……!)の私が、死んでも「可愛い」なんて言えるかよコンチクショウ!(涙)


「ええ!?侑士、俺は俺は!?俺は親友じゃねえのかよ!」


がっくんが大慌てでぴょんぴょこ飛んでる。い奴めv
むやみやたらと飛んじゃうところが、馬鹿だけど可愛いんだよねえ。


「あ、あなた、岳人君でしょ?」


ごくごく軽ーく言ってやると、ぴょんぴょこ度がさらに上がった。
おーい、部活終わる前に体力きれるぞー。

とりあえずがっくんは無視をして、隣のべったまに視線を合わせる。


「で、あなたが……跡部、君?」
「せや」


侑士の顔を見て確認しながら、今度は視線を宍戸に移す。


「ええと……し、ししど、君?」
「ん」

「じゃあ、その横にいるのが   樺地君?でも跡部君の後ろじゃないよね」
「違いますよ、俺は鳳っス!」


おーおー、ちょたったらそんなに慌てちゃって。
樺地が可哀相だゾ!


「おおとり?」
「はい!」


……笑ってもいいですか?(駄目です)
慌てふためきっぷりがツボ。


必死に笑いをこらえていたら、べったまに睨まれた。


「てめえ、何で知ってやがる」


低い声。
あら、警戒中?


「侑士に教えてもらったんです。ね?」
「せやで。お前らの行動みぃんな知っとるでー、は」


実はあれから、私は侑士とメールのやりとりをしていたのだ。
そこでレギュラー陣のことを教えてもらっていた。

だって、あらかじめ教えてもらってた方がボロが出にくいじゃん!(そういう理由か)


「そういう訳ですv」


にっこり笑うと、がっくんが警戒もへったくれもない様子で近づいてきた。


「なあなあ、お前っての?俺、向日岳人!がっくんって呼んでみそ?」
「うん、よろしくね、がっくんv」


私より背の低いがっくんの頭をなでると、「ガキ扱いすんなよ!」ってぴょこぴょこ跳ねた。
だからそれが可愛いんだってば!(悶)


「あ、鳳です、よろしくお願いします」


思わず目線をそらした先にいたちょたが、ぺこりと頭を下げてくれた。


「鳳……おおとりなんて人、レギュラーにいたの?」


その言葉に、ちょたがガンッ!ってショックうけてるのが見えた(楽しい)

だって、ねえ?


「鳳の名前は長太郎やゆうたら、わかるやろ?」


そう。
メールでは、ちょたのことは「長太郎」としか書いてなかったんだもん。

苗字言われてわかる方が怪しいって。


「あ!ちょた君!!」




…………。




しまったああああっ、思わずちょたって言っちまったい!(オマイガッ!)
ちょたがびっくりしてるヨ!


「ああぁあごめんなさいごめんなさい長太郎って長くて言いにくかったからちょたって勝手に言ってたんですうぅぅ」
「あ、いえ、そんな……」


わたわたわた。


そんな形容詞がついてきそうな勢いで、ちょたがかがみこんで私を覗きこむ。


「気にしてませんから!むしろ何と呼んでいただいても全然構いませんし!敬語もいりません!!」


「……そう、ですか……?」
「はい!」


ああ、体育会系。
いい子だね、少し暑苦しいかもだけど。


「じゃ、ちょた君……?」
「はい」


おそるおそる呼んでみたら、ごくごく柔らかく返事をされたので、嬉しくてへにょんと笑った。


……ちょたよ、そんなに固まらなくてもいいじゃないか。


ちょっぴりやさぐれていると、べったまが非常にウザそうに眉をしかめる。


「何しに来やがったんだよ」
「うるさいべったま」
「あん?」


ぼそりと呟くと、侑士だけがぶっと吹き出した。
ああそうか、こいつにだけはメールで言ってたか。


「べったま」


半眼で睨んでくるべったまを睨み返して(怖くないもん!)、びしっと奴を指さす。


「何でだよ!?」


素敵な突っ込みをありがとう、宍戸。


「侑士から、俺様何様跡部様って聞いて。跡部様→跡部たま→あとべったま→べったま。ね?」


可愛いでしょ?と訊いたら、みんな爆笑した。


「てめえ!」


何だよ、不満なの?(当然だ)


「んー、じゃあ……確か名前、景吾だったよね?」


侑士に確認。
うなずいたのを見届けて、にっこり満面の笑みを浮かべる。




「ケゴたんv」




   時が止まった。


グッショブ私!(ぐっ!)



「け……けけけ、ケゴたん?」


がっくんがっくん、噛みすぎだって。


「うん。べったまとケゴたん、どっちがいい?」
「……どっちもやめろ……!」


べったま、地を這うような低い声。


「んー……べったまとケゴたんと景ちゃんとべさまと景君、どれがいい?」
「どれもやめろ!」
「ヤだ」


くっくっく……苦しむがいいわ!(高笑い)(最低)
おー、苦悩してるねえ☆


「け……景君で……」
「了解!よろしく、景君v」


めっさぶってみました(キモくて吐きそう)


まあ、それはいいとして。


「侑士、私あとの人わかんないよ」


メールに出てきたのはせいぜいそれくらいなので、ちょいちょいと侑士の腕を引っ張ってみる。


「ん?ああ、あいつは滝や。滝萩乃介」
「よろしく、ちゃん」


柔らかく笑ってくれた萩と握手をする。


「よろしく。萩君って呼んでもいい?」
「もちろん」


萩はさらさらストレートでした(違)


「あと2人おるんやけど   

「ウス」
「ひゃあっ!?」


かかかか樺地!?
ジロちゃんかついでるヨー。
てか、気配もなくいきなり背後から声出さないでよ!!(半泣き)




「……あの……」




「え?あ、ごめんなさい!」


ギャア!
近くにいた奴(つまりヒヨ)(ちくしょう、侑士からウッカリ離れてたぜ!)に抱きついてたよ!

ヒヨにちゃっかり抱きつけたのは嬉しいけど、恥ずかしくて死にそうだコノヤロウ!
うわあ私今絶対顔赤いよ。

ヒヨも少し顔赤いヨ!(可愛い!)


「ごめんなさい、その、びっくりしちゃって   


慌てて離れると、後ろにいた侑士にどんとぶつかった(いつの間に!)
ごめんと早口で言って離れようとしたら、逆にがっちりホールドされる。


「何や自分、顔真っ赤やでー!可愛いなあほんま」
「からかわんでええわ!日吉君、本当にすみません   はーなーしーてー!!」

「さらに赤いぞ」
可愛いぞ!」
「宍戸君もがっくんもやめてー!」


笑いながら2人に言われ(でも笑い方が違う)(宍戸がにやりでがっくんがにぱり)耳を塞ぎたい状況で(侑士のせいでできないヨ!)じたばたともがいていたら、いきなりふわりと解放された。


……ふわり?


そんな紳士的な人、この中にいたっけ?(失礼)